薬剤師の年収アップ・キャリアアップ転職の秘訣

薬剤師の年収アップ・キャリアアップ転職の秘訣
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薬剤師の年収アップ・キャリアアップ転職の秘訣

2021年の4月26日、厚生労働省は「2045年に薬剤師は最大で12万6000人、少なく見積もって2万4000人が過剰になる」(※1)ことを公表しました。

まだ先の話ですが、実際に薬剤師の偏在問題もあり、一部都市部では供給過多の状態になっています。

今後、年収アップ、キャリアアップを考えた時に10年先、20年先を考えて転職することは大切です。

まずは転職する前に現状を把握し、将来に向けてキャリアプランを練る必要があるでしょう。

薬剤師の年収とキャリアについて

薬剤師の年収アップと年収、出世につながるキャリアアップ転職について、代表的な職場である薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社(医薬品メーカー)について、最新の動向を分析しました。

薬剤師が年収を上げる方法は4つあります。

出世(昇進)する
②転職する
③副業する
④独立(起業)する

現実的には①出世(昇進)する、②転職する、を選択する人が多いでしょう。

まずは、薬剤師の年収をみてみましょう。

薬剤師の年収(給与)
従業員別平均年収
10人以上(41.1歳、勤続8.9年)
(403.6×12+962.2 千円)
5,805,000円
1000人以上(36.9歳、勤続8.0年)
(401×12+1030.2 千円)
5,842,000円
10~99人(47.5歳、勤続8.4年)
(416.4×12+866.2 千円)
5,863,000円
100~999人(43.7歳、勤続10.6年)
(400.4×12+915.4 千円)
5,720,000円
年収は残業代等の各種手当を含んでいます。計算方法は「月額の支給額×12ヶ月分+年間賞与」です。
(出典:『令和3年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省))

厚生労働省の公表している「令和3年賃金構造基本統計調査」の統計データから、事業所の規模別に薬剤師の平均年収を割り出しました。

「令和2年分民間給与実態統計調査」(※2)の統計データから、全体の給与所得者の平均年収は433万円となっており、薬剤師は年収の高い職種であることが分かります。

また一般企業と比較すると、全体的に事業規模(労働者数)による「差異」は少ないです。

管理薬剤師の年収とキャリアアップ

管理薬剤師の年収とキャリアアップ
管理薬剤師の年収とキャリアアップ

次に保険薬局の管理薬剤師と薬剤師(一般)の給与(※4)を調べてみました。

【保険薬局・年収】

管理薬剤師720万7054円
薬剤師472万402円
店舗数管理薬剤師薬剤師
1店舗848万8368円528万7513円
2~5店舗776万3378円462万2637円
6~19店舗732万9762円487万6911円
20店舗以上650万3533円461万4883円
(出典:第23回医療経済実態調査(厚労省2021年11月24日公表))

管理薬剤師はキャリアアップ時に目安となる役職です。

薬局やドラッグストアの現場責任者で、一般企業では課長のポジションにあたります。

一般の薬剤師と比較すると給与格差は大きく、約189~320万円の格差があります

ただ薬剤師という職種に特徴的なのが、事業規模と給与が必ずしも比例して高いというわけではないことです。

管理薬剤師に限ると、事業規模が小さい=店舗数が少ない方が高給与であることです。

大手の薬局に転職して出世すれば給与が高いわけではなく、むしろ中小の方が給与が高いといえます。

大手ドラッグストアチェーンの管理薬剤師の中にはわずかな手当がつくだけのケースもあります。

その場合、責任は大きくなる場合もありますので、転職後のキャリアアップを目指す場合、管理薬剤師の給与は確認しておいた方がよいでしょう。

薬局薬剤師のキャリアプランモデル
薬剤師のキャリアアッププラン
薬剤師のキャリアアッププラン

調剤薬局かドラッグストア、転職するならどちらがお得?

調剤薬局かドラッグストア、転職するならどちらがお得?
調剤薬局かドラッグストア、転職するならどちらがお得?
業種平均年収(※3)40歳年収(※4)
製薬会社543.2万円700~1000万円(研究職)
ドラッグストア512.5万円550~700万円
調剤薬局488.3万円480~600万円
病院434.6万円450~550万円
薬剤師転職エージェントによる調査結果(参考資料より作成)

調剤薬局かドラッグストア、転職をするならどちらが今後のキャリアにとってお得なのか、給与の面から考えてみましょう。

薬剤師の就業先として最も多い職場は調剤薬局・ドラッグストアの調剤部門で、薬学生の半数以上(50.5%)が就職先として選びます。

その次に病院・診療所(18.5%)、企業(7.5%)と続きます。

参考までに以下に大手ドラッグストアと大手調剤薬局の平均年収(出典:「2022年ポケット版 最新 医薬品産業ランキング」)を挙げておきます。

職種(薬剤師だけ)の年収ではなく、従業員(ほかの職種含む)の平均年収なので、ご注意ください。

大手ドラッグストア(平均年収)

順位企業名平均年収
1株式会社クリエイトSDホールディングス1,182万円
2株式会社マツキヨココカラ&カンパニー834万円
3ウエルシアホールディングス株式会社795万円
4スギホールディングススギホールディングス728万円
5株式会社バローホールディングス705万円
6株式会社アインホールディングス663万円
7株式会社ツルハホールディングス638万円
8株式会社カワチ薬品540万円
9株式会社サンドラッグ514万円
10株式会社コスモス薬品420万円
大手ドラッグストア(平均年収)

大手調剤薬局(平均年収)

順位企業名平均年収
1シップヘルスケアホールディングス株式会社(グリーンファーマシー・日星調剤など)770万円
2クオールホールディングス株式会社(クオール薬局)697万円
3株式会社アインホールディングス(アイン薬局)663万円
4東邦ホールディングス株式会社(太誠堂薬局など)604万円
5株式会社スズケン(ファーコス薬局)600万円
6株式会社メディカル一光グループ(フラワー薬局)573万円
7株式会社メディカルシステムネットワーク(なの花薬局)553万円
8ファーマライズホールディングス株式会社(ファーマライズ薬局など)543万円
9株式会社トーカイ(たんぽぽ薬局)540万円
10日本調剤株式会社(日本調剤薬局)528万円
大手調剤薬局(平均年収)

大手ドラッグストアと大手調剤薬局の年収ランキングをみると、従業員全体の平均年収で薬剤師の平均年収ではありませんが、調剤薬局と比較して、ドラッグストアは企業による年収格差が大きいことが気になります。

転職する際、給与で選ぶならドラッグストアですが、会社ごとにしっかりと精査する必要があるでしょう。

ただドラッグストアは流通業界に含まれ、仕事内容も日用雑貨や化粧品などの販売に追われる職場もあるので、転職時に確認する必要があります。

薬剤師の就業先(職種別)年収

薬剤師就業先別年収レンジ
薬剤師就業先別年収レンジ

やりがいの病院薬剤師は激務で薄給か?

やりがいの病院薬剤師は激務で薄給か?
やりがいの病院薬剤師は激務で薄給か?

病院薬剤師は、やりがいはあるが給与が低く、激務であるため離職率が高いです。

大病院の場合、約10年で主任、20年で課長に昇進できます。

しかし、薬剤部長に出世するにはかなり難易度が高くなります。

小さな病院ならチャンスがあり、現場の経験を積むことで薬剤部長に昇進ができるかもしれません。

「病院薬剤師のキャリアは、就職する病院によって決まってしまう。」と言われています。

狭き門の企業薬剤師

狭き門の企業薬剤師
狭き門の企業薬剤師

医薬品メーカーは、新卒の薬学部生にとって就職先の中でも狭き門であり、研究職やMR(医薬情報担当者)は1000万円~1500万円の高い年収を得られることで知られています。

しかし、M&Aに伴う研究部門の統合などにより採用数は減少傾向にあり、早期退職募集が相次いでいるのが現状です。

また、MRが再就職できず苦しんでいることが業界で話題になっており、転職希望者が薬局やドラッグストアでも再就職が困難とされています。

製薬業界の地位低下とともに、薬剤師淘汰の最前線が近づいているという話もあり、企業薬剤師に転職するには相当な準備、キャリアが必要です。

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